理系研究者の書評ブログ

30代の化学系の研究者が、読んだ本の書評を書いています。

2020-01-01から1年間の記事一覧

【書評・要約】『統計で考える働き方の未来ー高齢者が働き続ける国へ』〜老後も働く覚悟はあるか〜

今回は坂本貴志著『統計で考える働き方の未来 ――高齢者が働き続ける国へ (ちくま新書)』を紹介します。 統計で考える働き方の未来 ――高齢者が働き続ける国へ (ちくま新書) 作者:貴志, 坂本 発売日: 2020/10/09 メディア: 新書 本書はタイトルの通り、さまざ…

【書評・要約】テクノロジーの世界経済史 〜イギリスが産業革命を起こせた本当の理由〜

1700年代後半からイギリスで産業革命が起こりました。教科書的には、その理由は以下の3つだと言われています。すなわち、資本、市場、機械化です。 それでは、他の国が産業革命を起こせなかった理由はどこにあるのでしょうか?革命ほどの規模になっていたか…

【書評・要約】青砥瑞人著『BRAIN DRIVEN』〜脳を理解して自分を高める〜

青砥瑞人氏の著書『BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは』をレビュー・要約します。著者の青砥氏は株式会社DAncing EinsteinのCEOで、UCLAで神経科学を学んだという経歴の持ち主です。 DAncing Einstein - Applied Neuroscience for Human Well…

【書評・要約】『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』〜ストレスを味方につける方法〜

スタンフォード大学の健康心理学者、ケリー・マクゴニガル著『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』をレビュー・要約します。 スタンフォードのストレスを力に変える教科書 スタンフォード シリーズ 作者:ケリー・マクゴニガル 発売日: 2016/04/01 …

【書評・要約】『スマホ脳』〜スマホに脳がハックされた〜

アンデシュ・ハンセン著『スマホ脳』をレビュー・要約します。著者はスウェーデン出身の精神科医です。スマホを含めたデジタルデバイス、SNSの危険性、子供の成長に与える影響を論じた一冊になっています。 スマホ脳(新潮新書) 作者:アンデシュ・ハンセン …

【書評】『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を一冊にまとめてみた』〜マーケティング入門に最適!〜

永井孝尚著『世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を一冊にまとめてみた』をレビューします。 世界のエリートが学んでいるMBAマーケティング必読書50冊を1冊にまとめてみた 作者:永井孝尚 発売日: 2020/11/13 メディア: Kindle版 本…

【書評・要約】『明日の幸せを科学する』〜あなたが想像した未来が訪れないワケ〜

ハーバード大学で社会心理学を教えるダニエル・ギルバート教授の著書『明日の幸せを科学する』をレビュー・要約します。 明日の幸せを科学する 作者:ダニエル ギルバート 発売日: 2014/02/21 メディア: Kindle版 本書はタイトルこそ怪しげですが、内容は社会…

【書評・要約】『シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき』

『シンギュラリティは近い[エッセンス版] 人類が生命を超越するとき』を紹介、要約します。 シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき 作者:レイ・カーツワイル 発売日: 2016/04/26 メディア: Kindle版 「シンギュラリティ」という言…

【書評・要約】『エクサスケールの衝撃』〜衣食住がフリーになる社会は目の前?〜

「超知的マシン」が自身を超える「超知的マシン」を開発し、それが繰り返される…この時が「シンギュラリティ(技術的特異点)」であると言われます。レイ・カーツワイル氏は2045年に到来すると予言しました。 その前段階として、「プレ・シンギュラリティ」…

【書評・要約】『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』

今回は『腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方』の要約をします。本書では、腸に関する科学的知見をまとめた本です。 腸科学 健康な人生を支える細菌の育て方 (早川書房) 作者:ジャスティン ソネンバーグ,エリカ ソネンバーグ 発売日: 2016/11/30 メディア…

マコなり社長「Makonari Inside Stories」の感想〜3000円の価値はあるか?〜

IT企業社長兼YouTuberのマコなり社長が月額課金サービス「Makonari Inside Stories」を開始しました。 Makonari Inside Stories 私は開始当初から会員登録をしています。そこで今回はMakonari Inside Storiesの感想を書いてみようと思います。 なお、情報を…

【書評・要約】 LIFE SPAN② 〜老化対策まとめ編〜

『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』(デビッド・A・シンクレア、 マシュー・D・ラプラント著)を紹介します。 LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント 発売日: 2020/09/0…

【書評・要約】 LIFE SPAN① 〜老化の原因は老化の原因はたった一つ〜

『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』(デビッド・A・シンクレア、 マシュー・D・ラプラント著)を紹介します。 LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界 作者:デビッド・A・シンクレア,マシュー・D・ラプラント 発売日: 2020/09/0…

瞑想の方法まとめ〜まだ瞑想をオカルトだと思っているの?〜

瞑想、と聞くと、怪しいもの、オカルト、宗教など、ネガティブな印象を持つ人もいるのではないでしょうか。 実は、瞑想はグーグルなどの世界的企業で取り入れられている、脳を鍛える効果的なメソッドなのです。 ここでは瞑想の効果とその方法について紹介し…

【レビュー・要約】『岸田ビジョン 分断から調和へ』〜岸田氏の政策まとめ〜

岸田ビジョン 分断から協調へ 作者:岸田文雄 発売日: 2020/09/11 メディア: Kindle版 本書は2020年9月11日に発売された岸田氏の政策提言の書であり、政治家としての実績、人生について記された一冊です。 ここでは特に、政策面についてまとめてみたいと思い…

【本レビュー】『あなたの人生の科学』~無意識が人生に与える影響~

ここでは、デイヴィッド・ブルックス著『あなたの人生の科学』を紹介します。 あなたの人生の科学(上)誕生・成長・出会い (ハヤカワ文庫NF) 作者:デイヴィッド・ブルックス 発売日: 2015/11/05 メディア: 文庫 あなたの人生の科学(下)結婚・仕事・旅立ち (ハ…

【レビュー・要約】『キラーストレス』~ストレスが脳を物理的に蝕む~

今回紹介するのは、『キラーストレス 心と体をどう守るか』です。 キラーストレス 心と体をどう守るか (NHK出版新書) 作者:NHKスペシャル取材班 発売日: 2016/11/10 メディア: Kindle版 ストレスはある条件が重なると、命を奪う病の原因へと形を変えま…

ユングから見たフロイトとアドラー

カール・ユングとジークムント・フロイトとアルフレッド・アドラー、 三名とも著名ですが、彼らはともに精神について分析していました。 ユングはフロイト、アドラーと共に働いていました。 ある患者の病歴について議論しているとき、 ユングはフロイトとア…

【レビュー・要約】『内向型を強みにする』 ~気質が脳で決まることを理解する~

今回は『内向型を強みにする』という本を紹介します。 内向型を強みにする 発売日: 2013/06/16 メディア: Kindle版 突然ですが、私は大人数の飲み会は大の苦手ですし、休日は1人でいることが多いです。それを自分の欠点だと思い込み、何とか治そうとしてきま…

【本紹介・要約】DaiGoさんの『超習慣術』〜自己啓発を始める前に読む本〜

ここでは、メンタリストDaiGoさんの『短期間で“良い習慣”が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術』を紹介します。 短期間で〝よい習慣〟が身につき、人生が思い通りになる! 超習慣術 作者:メンタリストDaiGo 発売日: 2019/11/01 メディア: Kindle版 …

【理系向け】プレゼン資料の作り方、心がけなど【検討会・学会発表・ゼミ】

学生には学会発表や研究室のゼミなど、パワーポイントを使った発表機会がたくさんあります。当然ながら、会社に入ってもあります。 私は学生時代、学会発表を30回近く行いました。(ポスターを含む)会社でも発表がわかりやすい、とお褒めいただくことがあり…

乱読と精読、併用のススメ~私の読書術~

いろいろな人が、いろいろな読書術を薦めている。 さて、どれが正解なのか? 有り体に言ってしまえば、人それぞれ、なのだが、 色々試して辿り着いた私の読書術を紹介したい。 私の行き着いた読書術は 「平日は乱読、休日は精読」 である。 私が本格的に読書…

【レビュー・要約】『やり抜く人の9つの習慣』〜「コツコツ」ができるようになるテクニック集〜

ダイエット、勉強、運動…挫折したことがある人がほとんどではないでしょうか? 自分は誘惑に弱い人間だ、生まれつき根性がないんだ、と思い込んでいませんか?才能や生まれつきだと思っている力のほとんどは、実はテクニックです。 『やり抜く人の9つの習慣 …

欠乏状態が招く事態について

最近、父親が女の子を車内に忘れられてしまう、という悲しい出来事がありました。 なぜこのようなことが起こったのか、推測することしかできませんが、 一つの可能性を考えてみたいと思います。 これは父親を許す許さない、といった類の話ではありません。 …

人はなぜタバコや薬物に手を出してしまうのか~進化生物学的観点から~

タバコ、酒、薬物などなど・・・人生を破壊してしまいかねない悪性化学物質は身近に溢れています。体に悪いとわかっているのに、なぜ手を出してしまうのでしょうか? 快楽物質が分泌される、というのが当然一つの理由でしょう。 ですが、進化生物学者のジャ…

イノベーションが起きる組織作り~山口周著『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』~

山口周著『世界で最もイノベーティブな組織の作り方』 世界で最もイノベーティブな組織の作り方 (光文社新書) 作者:山口 周 発売日: 2013/11/15 メディア: Kindle版 本書で述べられているのは組織論です。 組織づくり、リーダーシップ、モチベーション、意思…

【レビュー・要約】落合陽一著『これから世界をつくる仲間たちへ』~これからの世界をどう生き抜く!?~

落合陽一著『これから世界をつくる仲間たちへ』 これからの世界をつくる仲間たちへ 作者:落合 陽一 発売日: 2016/03/28 メディア: 単行本 本書はこれから自分のキャリアを選択する中高生、大学生世代(とその親世代)になんらかのモチベーションを与えるため…

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このブログについて

このブログでは、理系の博士(化学)のDadadaが本の書評を書いていきます。 興味がある分野は化学、心理学、歴史、神経科学、行動経済学、自己啓発などなど・・・ジャンル問わず、さまざまな本の書評を書きます。