【レビュー・要約】落合陽一著『これから世界をつくる仲間たちへ』~これからの世界をどう生き抜く!?~
落合陽一著『これから世界をつくる仲間たちへ』
本書はこれから自分のキャリアを選択する中高生、大学生世代(とその親世代)になんらかのモチベーションを与えるために書かれた一冊です。
一文まとめ
『クリエイティブなスペシャリストを目指し、独善的な利他性を持って生きろ!』
☆ガッツはレッドオーシャン
根性論は今も頻繁に言われることがありますが、現代ではガッツはレッドオーシャンです。
コンピューターは何も言わずに24時間働き続けます。
また、クラウドソーシングによりコスト破壊も起こっています。
今や、人間がコンピュータの下請けになっているのです。
これまで、ホワイトカラーは何かを効率よく処理するための歯車でした。
しかし、ホワイトカラーの居場所はコンピューターに奪われています。
これは、広く浅い知識を持った人々、
ジェネリストの価値が低下していることを意味しています。
☆クリエイティブなスペシャリストを目指せ!
これから重要な存在になるのはスペシャリストです。
その人にしかわからない暗黙知や専門知識にこそ価値です。
言い換えれば、
リベラルアーツよりメカニカルアーツ、
一般教養よりテクニカルな専門性
ということです。
ホワイトカラーの上位に位置する存在は「クリエイティブ・クラス」。
これからの時代はクリエイティブ・クラスを目指さなければなりません。
クリエイティブ・クラスの仕事は問題を見つけることから始まります。
問題発見が生きる道であるのは、
コンピュータにないもの、それがモチベーションだからです。
残念ながら、クリエイティブ・クラスになるためのロールモデルはありません。
スティーブ・ジョブズをめざしても、ジョブズもどきにしかなれないのです。
重要になるのは、『ある物事がなぜ今の時代に価値を持っているか』を考えることである、と言えます。
☆コピー出来ない暗黙知を持つ、オンリーワンでナンバーワン
クリエイティブ・クラスになるためには具体的にどのようなことを考えればよいのでしょうか。
著者はそのヒントとなる「5つの質問」を挙げています。
✓誰が幸せになるか
✓なぜ問題か
✓過去の何を受け継いでそのアイディアに達したか
✓どこに行けばできるのか
✓実現のためのスキルは他人が到達しにくいか
具体的に何から始めればよいかわからなければ、
自分が解決したい小さな問題を探すことから始めましょう。
小さな問題解決がクリエイティブを生みます。
『ある物事がなぜ今の時代に価値を持っているか』を
考えることは思考体力の向上につながります。
(これは子供の頃から鍛えられる)
ロジカルな言語化はコミュニケーション能力向上にもつながるものです。
言葉に出来ないものは実現できません。
21世紀、システムがブラックボックスに入っているものが増加しています。
(例:クレジットカード)
世界は人間が回している、ということを忘れず、
どういうシステムなのか、という疑問を持つことが大切です。
☆「天才」ではない、「変態」だ
世界に変化をもたらすような執念を持つ人間に共通する性質は
『独善的な利他性』
たとえ勘違いだったとしても自分は正しいと信じていることを疑わず、
それが他人のためになると信じてあらゆる努力を楽しんで行うこと、
それはこれから先の幸福な生き方のひとつとなるでしょう。