【理系向け】プレゼン資料の作り方、心がけなど【検討会・学会発表・ゼミ】
学生には学会発表や研究室のゼミなど、パワーポイントを使った発表機会がたくさんあります。
当然ながら、会社に入ってもあります。
私は学生時代、学会発表を30回近く行いました。(ポスターを含む)
会社でも発表がわかりやすい、とお褒めいただくことがあります。
(お世辞でないことを祈ります)
そんな私がパワーポイントでのプレゼンの資料を作る時に心がけていることをまとめました。
個人的な備忘録や思考の整理の意味合いもあります。
参考になるところがあれば幸いです。
特にここでは、検討会(実験結果の報告会)の時に意識していることを書いています。
しかしもちろん、学会発表やゼミでも応用できるところはあります。
資料作り前に考えること
- この発表は誰が聞くか
- その人たちは何が知りたいか
- 聞く人はどれくらいの知識を持っているのか
専門性の高い場でなければ、私は学部四年生がわかるレベルを想定しています。
発表の構成
イントロ→目次→本論(→中間まとめ→本論②)→結論
が大きな流れだと思います。具体的には、以下の構成で発表しています。
時間配分の目安は、イントロ1〜2割、本論8〜9割、結論多くて1割といった感じだと思います。
構成を考えるときは結論から考え始めるといいです。
どんな結論に持っていきたいかによって、イントロも変わります。
- イントロ①ーテーマの背景、目的、目標としている数値
✓ 何故このテーマを行なっているのか
✓ 目的は何なのか
✓ どのような目標を設定しているか(製造のための価格、収率など)
✓ 過去の研究例との比較
などを通して、このテーマの新規性・重要性・ゴールまでの道筋を示します。
- イントロ②ー前回までの進捗
定期的に報告する会の場合、ほとんどの人は前回の報告内容など忘れています。
前回どこまで進んでいたのか、全体の流れの中でどこにいるのかを復習します。
- 目次ー今回の報告内容
これからどんな話をするのか、を説明します。
そのために、目次を作ります。
はじめに発表全体の流れを示すことによって、聞いている人が、今どこの話をしているのか理解しやすくなります。
- 結果について
一つのスライドで一つの結論。これが基本です。
いくつも言いたいことがあると、聞いている方はついて来れません。
スライドの一番下に結論を書いておくといいです。
また、スライドの上部にタイトルをつけると思いますが、タイトルと結論の内容が一致するように気をつけましょう。
たまに全ての実験結果を表にまとめて小さな字で書く人がいます。
しかし、細かい字では全然読みきれません。
読んでいる途中で次のスライドに行ったりするとイラつきます。
結果は、結論に関わる重要な部分だけピックアップして説明してください。
質問される場合があるので、残りは補助スライドに置いておきましょう。
そのスライドだけ見て、前後のスライドを見ずとも、
何を言いたいのかわかる、というのが理想だと思います。
- 発表のまとめ
発表の結論を簡潔にまとめます。
私は文章で書くことが多いですが、表や図でまとめるのも良いでしょう。
課題として残っている点はどこなのかを明確にしておきましょう。
(次回の報告で課題の進捗報告するとなおよし)
進捗状況は予定通りなのか、遅れているのかも報告し、
今後のスケジュールで、どんなことするのかという今後の予定を提示します。
デザイン編
- スライド一枚の構成について
✓ 一番上にタイトル
✓ 真ん中にデータなど
✓ 一番下に結論
の三つで構成すると良いでしょう。
- 文字について
文字は大きく、できれば24ポイント、小さくても18ポイントを推奨します。
小さいと、年配の方々が読めません。
そして、視認性の高いサンセリフ体を使用しましょう。
色はたくさん使わず、2~3色にしましょう。
私が使うのは黒、赤系、青系の三色です。
たくさん色がついていると、強調したい部分が分からなくなります。
- スライドの背景
白地がベターです。
背景の色は付けない方がいいです。
上級者でないとスライド全体がゴチャゴチャしてうるさくなります。
印刷するときもインクを無駄にしません。
- ページ数を書いておく
いま何ページ目かがわかるようにしておきましょう。
議論の時、「何ページ目を開いて」という形で、スムーズに話が進みます。
- 図や表にタイトルを付ける
- スライドマスターを使って全体のデザインを編集・統一
統一感のあるデザインをする上での基本の「キ」です。
- 均等割付け、左揃え、右揃え、上揃え、下揃え、中央揃え
フル活用しましょう。私はクイックツールバーにまとめて載せています。
ちょっとずれていたりすると、聞いている側は結構気になります。
細かいことのようですが、聞く人が細かいことに気が散らないようにすることはとても重要です。
- 四角で囲む
いくつかデータを載せる場合、まとまりがわかりにくくなってしまいます。
そういうときは、一つのまとまりを四角く囲むと、
それだけでまとまりがあるように見えます。
私のスライドはだいたいこんな感じになります。
その他のテクニック編
- 一枚のスライドの時間目安は1分
一枚のスライドにかける時間が短すぎるとついていけません。
(学会発表は時間が決まっているので、
自ずとスライド枚数が決まり、発表できる内容も決まってきますね)
- 実験データを表にまとめて載せるときは、変えたファクターや重要な結果を色付けやハイライトなどで強調する
- 誰かに見てもらおう
発表に慣れない人は必ず誰かに見てもらった方がいいです。
- 感情は込めてもいい
完全に私見です。
MECEで伝えることを求める人も当然いるでしょう。
しかし、個人的には、
「実はここでとても苦労しました」「ここはめっちゃ面白いと思います!」
といった話は大好物です。
つい感情移入して聞き入ってしまいます。
- 台本を作る
特に初心者は作りましょう。頭の中で考えているだけだと、論理展開に抜けや漏れが生じます。話すことに慣れていれば、箇条書きで書くだけでも良いと思います。
これはやめろ!編
- 沢山の色を使う
上述したとおり、たくさん色がついていると、強調したい部分が分からなくなります。
- ご清聴ありがとうございました、とだけ書いたスライド
こんなことをスライド一枚に書くくらいなら、まとめのスライドを写しておけ、と思います。
- パワーポイントのテンプレートを使う
余計な装飾があるものがほとんどです。デザインとしてはシンプルな方がいいです。自分で作る方がいいと思います。
- 「このスライドは飛ばします!」
ちょっと気になっちゃうから、マジでやめてほしいです。
- 略称を使う
やめろ!というよりも注意を払うべきことです。
DNAのように常識になっている単語はいいですが、専門家内や内輪にしか通じない略称は避けなければいけません。
長い単語を略す場合は仕方がないですが、聞いている方が何の略か忘れることがあります
使うたびに書く、くらいのことをしてもいいと思います。
以上、理系向けプレゼン資料の作り方の解説でした。
少しでも参考になりましたら幸いです。
一気に書いたので、忘れているところがあるかもしれません。
折を見て更新します。