【書評】『後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ』〜動物たちの知性と感情〜【感想・レビュー】
今回は『後悔するイヌ、嘘をつくニワトリ 動物たちは何を考えているのか?』の書評になります。
目次
著者について
本書の著者はペーター・ヴォールレーベン氏。ドイツの森林管理官です。
前著『樹木たちの知られざる生活 森林管理官が聴いた森の声』では野生の樹木の生態を綴り、ドイツでベストセラーとなりました。
本書もドイツで30万部以上売り上げたそうです。
本書の特徴
本書は、動物たちの驚くべき姿を記したエッセイ集となります。
特徴の一つめは著者が観察した動物たちの生態がハートフルに書かれている点です。
タイトルにある犬や鶏をはじめ、アリやチョウなどの昆虫からシカや馬などの哺乳類まで多様な動物たちが描かれています。
著者は動物たちの考えていることや感情の動きを非常に細やかに観察しており、動物たちの行動には心が暖められます。
特徴の二つめは学問的な視点も織り混ぜられている点です。
「ワタリガラスは仲間と名前を付け合う」「猫も夢を見る」といった最新の科学的知見が語られています。
科学的知見があることで、本書で書かれる動物の内面が著者の想像ばかりではないと分かり、説得力が増しています。
まとめ
本書に載っているエッセイは40以上あり、話題は
- 動物が感謝するか
- 痛覚はあるか
- 恥じらいや後悔の感情を持つか
- 嘘をつくか
など多岐にわたります。
私自身、動物について誤解していた部分も多く、動物に対する見方が大きく変わりました。
心暖めながら学問的な知識も得られる、一石二鳥の優れた一冊だと思います。
ぜひご一読あれ。