【書評】『HARD THINGS』〜CEOの苦悩と教訓〜
今回は『HARD THINGS 答えがない難問と困難にきみはどう立ち向かうか』の書評になります。
目次
著者について
本書の著者はベン・ホロウィッツ氏。
オプスウェアというベンチャー企業の共同創業者兼CEOとして、2007年に同社を16億ドル超でヒューレット・パッカードに売却しました。
現在はシリコンバレー拠点のベンチャーキャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツの共同創業者兼ゼネラルパートナーです。
(共同創業者のもう1人はマーク・アンドリーセン。世界初のブラウザを発明してネットスケープを創業)
ベン・ホロウィッツ氏がCEOや共同創業者、投資家という経験を通して学んだことをまとめたのが本書『HARD THINGS』になります。
本書の内容について
本書の構成
本書は大きく二部構成です。
前半部ではベン・ホロウィッツ氏が起業してからそのベンチャー企業を売却するまでの経験を語っています。
後半部ではその経験をもとに、CEOに向けた多くの教訓を示しています。
著者が本書を書いた理由
ベン・ホロウィッツ氏は自己啓発書を読むたびに「本当に難しいのはそこではない」と感じ続けてきたそうです。
本当に難しいのは大きな目標を設定する事ではなく、目標を達成し損なった時に社員を解雇すること。
本当に難しいのか会社をデザインする事ではなく、デザインした会社で人々を意思疎通させること。
本当に難しいのは、大きく夢を見ることではなく、夢が悪夢に変わり冷や汗を流しながら深夜に目覚めること。
CEOや起業家としての経験談や教訓を記したものがなかったためにブログを開始しました。その結果、数百万の読者が読んでくれたそうです。
すると多くの読者から「教訓を得た背景を教えてほしい」という要望が来たそうです。
そうして、ベン・ホロウィッツ氏が得た教訓とその教訓を得るに至った事情をまとめたのが本書です。
本書で記されている教訓
- 組織運営、マネジメント
- 人材の採用
- 人、製品、利益をこの順番で大切にする理由
- 教育の重要性
- 部下の役職について
- 経営がうまくいかないときにどうするか
などです。実際にCEOを体験した人ではなければわからない、本当の困難が盛り沢山で記されています。
読むことをお勧めしたい人
もちろんCEOなのですが、CEOという人はほとんどいないと思います。
その他には、ビジネスで組織のリーダーである人、なりそうな人は一読の価値ありです。
多くの組織運営の教訓を得ることができるでしょう。
ビジネスに携わらない人にはあまりお勧めできませんが、
「CEOの物語」的なところに興味がある人は読んでみてもいいかもしれません。
まとめ
起業家として幾多の困難を乗り越えたベン・ホロウィッツ氏の言葉だけあり、非常に説得力がありました。
万人におすすめできる本ではありませんが、向上心の高いビジネスマンにはおすすめできます。
ぜひご一読あれ。