【書評】『つくられた格差』〜アメリカの格差と税制の分析〜
本記事は『つくられた格差~不公平税制が生んだ所得の不平等~』の書評になります。
著者について
著者はエマニュエル・サエズ氏とガブリエル・ズックマン氏。
エマニュエル・サエズ氏はトマ・ピケティの共同研究者で、1980年以降、著しい格差の拡大を明らかにしました。
この研究結果は「ウォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)」運動にも影響を与えたそうです。
ガブリエル・ズックマン氏はカリフォルニア大学バークレー校で経済学と公共政策の教授を務めています。
富の蓄積と分布を世界的・歴史的な視点から分析しているそうです。
本書の概要
アメリカの税制について詳しく分析した一冊です。
日本に関することは書いていません。
本書ではアメリカの格差が大きく広がった理由は富裕層が税金を支払わなくなったためであるとしています。
アメリカの所得と税の歴史や統計の解析を詳細に行い、現在の税制の問題点を指摘しています。
具体的には租税回避産業、資本所得への課税などです。
詳細な分析がなされており、アメリカの税制の問題点を浮き彫りにしています。
しかしながら、内容は全体的にかなりマニアックです。
日本のことは書かれていませんが、水平展開して考えることはできるでしょう。
オススメしたい人
・格差に興味があり、原因を知りたい人(特にアメリカの現状)
・税制の勉強をしたい人
是非ご一読あれ。